会社設立日と開業日の違い|事業開始日・期首日・届出書の欄を日付ごとに読み分ける
この記事で扱う日付
- 設立日(会社成立の年月日)原則は設立登記申請の受付日。休日指定の特例では指定した休日。登記簿の「会社成立の年月日」欄
- 事業開始日(開業日・営業開始日)
- 期首日(第1期の開始の日)
この記事は、こんな方に向けて書いています
会社を作ったあと、営業を始める日をいつにするか考えている方や、書類に「開業日」「事業開始日」「設立年月日」と並んでいて、どこに何の日付を書けばよいか迷っている方に向けたページです。前提として、会社は本店の所在地で設立の登記をすることで成立し、会社設立日は原則として法務局が設立登記の申請を受け付けた日です(休日を指定する特例を使った場合は、指定した休日)。開業日や事業開始日は、この会社設立日とは別に、実際に事業を始めた日を指す言葉として使われます。2026年(令和8年)10月17日に国税庁・法務省・e-Govの原文を開いて確かめた内容で書いています。
会社設立日と開業日の違い|「成立した日」と「事業を始めた日」

会社設立日と開業日は、似た場面で使われるのに、決まり方がまったく違う日付です。会社設立日は会社法で決まります。株式会社も合同会社も、本店の所在地で設立の登記をすることによって成立するので(会社法49条・579条)、登記簿の「会社成立の年月日」に記録された日が法律上の設立日です。
これに対して開業日は、法律が一つに定めた日ではありません。店を開けた日、最初の契約を結んだ日、サービスの提供を始めた日など、実際に事業を動かし始めた日を指して使われることが多い言葉です。検索では「開業日」の次に「事業開始日」が並び、ほぼ同じ意味で調べられていることが分かります。営業開始日という言い方もあります。

登記の申請を済ませた日に営業も始める会社なら、二つの日付は重なります。けれども、登記だけ先に終えて翌月から営業する会社、逆に設立前から準備を進めていた事業を成立の日にそのまま引き継ぐ会社もあり、ずれ方は会社ごとに違います。
もう一つ、開業日と取り違えやすいのが法人番号指定年月日です。国税庁の法人番号公表サイトに表示されるこの日付は、国税庁長官が番号を指定した日で、登記上の設立年月日とも、事業を始めた日とも別のものです。番号の通知が届いた日を開業日のように扱ってしまう例もあるので、日付の出どころを一度確かめておきましょう。くわしくは会社設立日と法人番号指定年月日で整理しています。
このページでは、開業日と並んで調べられている「事業開始日」「期首日」を、会社設立日とどう読み分けるかを順に整理します。言葉そのものの定義から確かめたい方は会社設立日とは(定義)から読むと、登記の日付の全体像がつかめます。
確認2026.10.12出典:会社法(第49条・第579条・第30条・第911条)(e-Gov法令検索)
法人設立日と事業開始日|届出書の「設立年月日」欄と「事業開始(見込み)年月日」欄

「法人設立日 事業開始日」と調べる方が迷うのは、たいてい税務署に出す法人設立届出書の欄です。この届出書には、日付を書く欄が別々に用意されています。国税庁の記載要領の文言を、そのまま並べると次のとおりです。
- 「設立年月日」欄
- 登記簿に記載されている登記年月日を記載する
- 「事業年度」欄
- 法令、定款等により定められている会計期間を記載する
- 「事業開始(見込み)年月日」欄
- 設立後、事業開始した年月日又は事業開始見込みの年月日を記載する
つまり、設立年月日の欄は登記簿を見て書き写す日付で、自分で選ぶ余地はありません。履歴事項全部証明書などの「会社成立の年月日」と同じ日付になります。一方、事業開始の欄は「見込み」とある通り、まだ始めていなければ予定の日付を書く欄です。同じ一枚の書類の中で、性格の違う二つの日付が隣り合っているわけです。

自治体の様式でも考え方は同じです。たとえば川崎市が公開している法人設立・設置届出書の様式にも、設立の年月日とは別に「事業開始(見込み)年月日」の欄があります。提出先や期限、添付書類は設立後の手続きを扱う姉妹サイト(会社設立後の手続き)の担当なので、ここでは欄の読み方だけを押さえてください。事業開始(見込み)年月日の書き方そのものは、このカテゴリーで子記事として扱う予定です。
届出書の二つの日付欄の違いは、法人設立日と事業開始日の記事で様式の文言に沿って読み分けています。
確認2026.10.17出典:法人設立届出書の記載要領等(「設立年月日」欄・「事業開始(見込み)年月日」欄)(国税庁)
事業開始日が会社設立日より前・後になるとき|成立前の準備と、開業を遅らせる場合

事業開始日が会社設立日より後になるのは、ごく普通のことです。登記の申請を済ませても、口座の開設や許認可、仕入れ先との契約が整うまでは営業できない業種もあります。この場合、登記簿の日付はそのままで、届出書には事業を始めた日、あるいは始める予定の日を書くことになります。
悩ましいのは逆の向き、つまり会社設立日より前から準備や取引が進んでいたときです。登記をするまで会社はまだ成立していないので、成立前に結んだ契約が当然に会社のものになるわけではない、と法律事務所の解説でも整理されています。事務所の賃貸借や備品の購入といった開業準備の行為も、誰の名前で、どの日付で結んだかが後で問題になりやすい部分です。
設立前の日付は「会社の開業日」にしない
登記より前に始めた活動の日付は、会社設立日より前の出来事として別に記録しておきます。会社の事業開始日に書き込む前に、その活動が会社に引き継がれる形になっているかを専門家に確かめてください。
たとえば、10月1日に知人の紹介で仕事を受け、10月15日に設立の登記を申請したとします。会社設立日は10月15日で、10月1日の受注は会社が成立する前の出来事です。これを会社の開業日として扱えるかどうかは、契約の名義や引継ぎの形で変わるため、一律には言えません。日付の記録としては、両方を残しておくのが安全です。
記録の残し方としては、日付ごとに「何をした日か」を一行で添えるのが実用的です。「10月1日 発起人名義で受注(会社成立前)」「10月15日 設立の登記を申請(会社設立日)」「11月4日 会社として営業開始(事業開始日)」のように並べておけば、税理士に相談するときも、届出書の欄を埋めるときも、どの日付を使うべきかを相手と同じ目線で確かめられます。
開業をあえて遅らせる場合も、会社設立日は動かないことを覚えておきましょう。いつ設立していつ営業を始めるかの組み立ては、営業開始と最初の期末から設立時期を考える記事で、候補の並べ方を含めて扱っています。
確認2026.10.12出典:株式会社の成立時期|設立日・登記完了日・事業開始日の違い(アイシア法律事務所)
期首日と設立日|第1期は設立の日から始まる

「期首日 設立日」と調べる方の疑問は、最初の事業年度がいつ始まるかに集まります。国税庁の法人税基本通達1-2-1は、法人の設立後最初の事業年度の開始の日を「法人の設立の日による」とし、設立の登記により成立する法人では「設立の登記をした日」とすると書いています。
会社法の会社なら、第1期の期首日は会社設立日そのものだということです。事業を始めた日や、届出書に書いた事業開始の見込み日が後ろにずれていても、第1期の始まりはそこに合わせて動きません。営業をしていない期間も、第1期の中に含まれます。
| 日付 | 第1期との関係 | どこで確かめるか |
|---|---|---|
| 会社設立日 | 第1期の初日(期首日) | 登記簿の会社成立の年月日 |
| 事業開始日 | 期の途中の一日 | 届出書の控え・社内記録 |
| 最初の決算日 | 第1期の末日 | 定款の事業年度 |
休日を指定する特例を使った会社では、登記簿に記録される登記の年月日と会社成立の年月日が、指定した休日になります(法務省の案内)。通達の「設立の登記をした日」を、登記簿のこの記録と並べて読むのが素直な読み方ですが、申告書や届出書にどう書くか迷ったら、所轄の税務署に日付を示して確かめておくと安心です。
第1期が何か月になるか、決算月をいつにするかは、お金の話とつながっています。月数の数え方は会社設立日から初年度の月数を数える記事、決算月との関係は会社設立日と決算日のカテゴリーで扱っています。
確認2026.10.14出典:法人税基本通達 第2節 事業年度(1-2-1 設立第1回事業年度の開始の日)(国税庁)
期首日と開業日|事業年度は定款で決まり、開業日では動かない

「期首日 開業日」という組み合わせで調べられているのは、営業を始めた日を期首にしたい、という相談が多いからでしょう。法人税法13条は、事業年度を法人の財産と損益の計算の単位となる期間として、法令や定款などで定めるものと書いています。会社の場合、ふつうは定款に「毎年4月1日から翌年3月31日まで」のように事業年度を書きます。
二期目からの期首日は、この定款の定めで決まります。開業日がいつであっても、定款に書いた事業年度の初日が期首日です。第1期だけは前の項目のとおり会社設立日から始まり、定款に書いた最初の期末で終わります。開業日は、どの期でも期首の基準にはなりません。

具体例で考えてみます。定款の事業年度を4月1日から翌年3月31日とし、2026年10月15日に設立の登記を申請、営業は11月4日から始めた会社なら、第1期は10月15日から翌年3月31日まで、第2期の期首日は2027年4月1日です。11月4日はどの期の期首日にもならず、第1期の途中の一日として記録されます。
営業開始に合わせて期首をそろえたい場合は、事業年度の定め方を考えることになりますが、定款の変更や決算月の検討は日付だけで決められる話ではありません。期首日と開業日の並べ方は、このカテゴリーの子記事として掘り下げる予定です。
期首日と開業日の関係を通達の文言で確かめたいときは、期首日と開業日の記事が手がかりになります。
確認2026.10.12出典:法人税法(第13条 事業年度の意義)(e-Gov法令検索)
休日を会社設立日にしたときの開業日|指定した日と営業を始める日

2026年(令和8年)2月2日から、法務局が閉まっている土日・祝日・年末年始を会社設立日にできる取り扱いが始まりました。指定したい休日の直前の開庁日に申請し、申請書に特例を求める旨と指定登記日を書くと、登記簿の会社成立の年月日が指定した休日として記録されます。
この特例でよくある使い方が、1月1日や記念日に当たる祝日を設立日にして、営業は休み明けから始めるという組み立てです。この場合、会社設立日は休日、事業開始日は開庁日以後の別の日になり、二つの日付ははっきり分かれます。届出書でも、設立年月日の欄には登記簿どおりの休日を、事業開始の欄には実際に始めた日を書くことになります。

気をつけたいのは、申請した開庁日と会社設立日がずれることです。手元の控えに残るのは申請した日付ですが、設立年月日として書くのは登記簿の日付のほうです。完了後に登記事項証明書を取り、会社成立の年月日の欄で指定した休日になっているかを一度確かめておきましょう。
特例の要件や、土日・祝日・年末年始の並びの確かめ方は会社設立日を休日にする(休日指定)のカテゴリーにまとめています。指定登記日を選ぶ前に、法務省の案内の原文にも目を通しておいてください。
指定した休日が登記簿にどう載るかは、設立指定日とはの記事で確かめられます。
確認2026.10.15出典:休日を会社等の設立の日とすることが可能になりました(法務省)
創業日・個人事業の開業日との違い|前身の始まりをどう書くか

開業日と並んで混ざりやすいのが創業日です。創業日は、会社になる前の個人事業や前身の団体まで含めて「この事業はここから始まった」と会社が名乗る日付として使われることが多く、法律で決まる日ではありません。会社設立日より何年も前の日付が創業日になっている会社も珍しくありません。
個人で事業をしていた方が会社を作る場合、個人の開業日と会社設立日は別のものです。国税庁の案内では、個人事業の開業届は新たに事業を開始したときなどの手続とされ、会社の登記とはつながっていません。個人の開業届に書いた日付を、会社の開業日や設立日に流用しないようにしましょう。個人事業から会社へ移る手続そのものは、姉妹サイトの「個人事業から法人へ」のテーマです。
- 個人事業の開業日を会社の創業日にしてよい?
- 社内で前身からの通算を示す意味で使う会社はあります。ただし会社設立日の欄には、登記簿の会社成立の年月日を書きます。
- 会社の沿革にはどの日付を載せる?
- 創業日・会社設立日・営業開始日のどれなのかを言葉で示し、日付を並べると誤解が生まれにくくなります。
会社案内や沿革に日付を載せるときは、「創業」「設立」「開業」と言葉を添えて書き分けるのが基本です。前身の始まりをどう数えるか、創立記念日をどう決めるかは会社設立日と創業日の違いで詳しく扱っています。
確認2026.10.17出典:A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続(国税庁)
まとめ|開業日・事業開始日・期首日は、根拠の資料で読み分ける

会社設立日は登記簿の「会社成立の年月日」で決まり、開業日や事業開始日は会社が実際の活動で決める日付です。第1期の期首日は会社設立日、第2期以降の期首日は定款の事業年度から読み取ります。国税庁の新設法人の届出の案内でも、設立の日は「設立の日(設立登記の日)」と書かれており、事業を始めた日とは区別されています。
- 登記簿で会社成立の年月日(会社設立日)を確かめる
- 定款で事業年度を確かめ、第1期の期首日と期末を書き出す
- 営業を始めた日、または始める予定の日を事業開始日として社内で一つに決める
- 届出書では「設立年月日」欄と「事業開始(見込み)年月日」欄に分けて書く
- 創業日を使う場合は、言葉を添えて会社設立日と書き分ける
日付ごとに根拠になる資料が違う、と覚えておくのがいちばんの近道です。迷ったら「この日付は登記簿・定款・社内の記録のどれで確かめられるか」を自問してみてください。答えが出ない日付は、まだ社内で決め切れていない日付です。
これから設立日そのものを選ぶ段階の方は、会社設立日の決め方から読むと、開業の予定と設立の日付を同じ表に並べて考えられます。
確認2026.10.11出典:No.5100 新設法人の届出書類(国税庁)
日付と根拠を確かめる
会社設立日は登記簿が決めてくれますが、開業日は自分たちで決めて、自分たちで記録する日付です。営業を始めた日、最初に売上が立った日、店を開けた日のどれを開業日と呼ぶのかを社内で一つに決め、その日付をどの書類の何という欄に書いたかを控えておきましょう。期首日は会社設立日から、事業年度は定款から読み取れます。三つの日付を並べたメモが一枚あれば、届出書を書くときも、数年後に沿革をまとめるときも迷わずに済みます。判断に迷う欄があれば、提出先の税務署や自治体、顧問の税理士に確かめてから書いてください。
