会社設立日と定款の日付|定款作成日・認証の日・合同会社の設立年月日を取り違えない
この記事で扱う日付
- 定款作成日定款に記載した作成の日付
- 定款の認証の日
- 設立日(会社成立の年月日)原則は設立登記申請の受付日。休日指定の特例では指定した休日。登記簿の「会社成立の年月日」欄
会社設立日と定款の日付は別物|定款作成日・認証日・成立の日

定款のまわりには、似ているようで意味の違う日付が三つあります。定款を作って発起人や社員が署名・記名押印した「定款作成日」、株式会社の場合に公証人が定款を認証した「認証の日」、そして設立の登記によって会社が成立した「会社成立の年月日」です。会社設立日と呼ばれるのは、このうち三つめだけです。
会社法49条は「株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する」と定め、合同会社などの持分会社についても579条が同じ書き方をしています。定款がどれほど早く出来上がっていても、登記を申請するまで会社は存在しません。定款作成日を会社設立日として書類に書き写すと、法律上は会社がまだ無い日を設立日と名乗ることになります。

三つの日付は、作成日、認証の日、設立日の順に並ぶのが基本です。どれか一つが前後すると、書類の整合が取れなくなります。このカテゴリーでは、その順番がなぜ決まっているのか、どこで逆転が起きやすいのかを日付の側から見ていきます。
なお、定款そのものの書き方や登記申請書の作り方は、このサイトでは扱いません。定款の条文の組み立ては、登記・定款の書き方を扱う姉妹サイトの担当です。ここでは、定款に出てくる日付と会社設立日の関係に話を絞ります。会社が成立したことで何が効力を持つのかは会社設立日とは(定義と効力)で説明しています。
定款の中に出てくる日付を一つずつ読む手順は、定款の日付の読み方の記事で確かめられます。
確認2026.10.12出典:会社法(第49条・第579条・第30条・第911条)(e-Gov法令検索)
定款作成日とは|定款の末尾に書く日付と会社設立日の違い

定款作成日は、発起人(株式会社)や社員になろうとする人(合同会社)が定款を作り、全員が署名または記名押印した日です。定款の最後には「この定款を作成し、発起人が次に記名押印する」といった一文と年月日が置かれるのが一般的で、その年月日が定款作成日にあたります。
日本公証人連合会の定款認証の案内には、作成日付は「記載するのが普通です」とあり、続けて「その作成日付は、認証する日よりも以前の日になります」と書かれています。株式会社なら、定款作成日が認証の日より後になることはありません。同じ日か、それより前です。
- 定款作成日
- 定款に全員が署名・記名押印した日。定款の末尾に書く
- 会社設立日
- 設立の登記を申請した日。登記簿の「会社成立の年月日」に載る
- 前後関係
- 定款作成日が先、会社設立日が後
- 同じ日になるか
- 重なることは考えられるが、株式会社は間に認証の日が入る
定款作成日 設立日、と並べて検索される方の多くは、どちらを書類に書けばよいかを知りたいのだと思います。答えは書類が何を求めているかで決まります。「設立年月日」「会社成立の年月日」と書かれた欄には登記簿の日付を、「定款作成日」の欄には定款の末尾の日付を書きます。二つを一つの欄に混ぜないことが一番の注意点です。
定款作成日は会社の側で決める日付ですが、会社設立日は法務局が申請を受け付けた日付として記録されます。前者は書類に書いた日、後者は役所に届いた日、と覚えておくと区別しやすくなります。
定款作成日と会社設立日を同じ日にできるか、後の書類にどちらを書くかは、定款作成日と会社設立日の記事で扱っています。
確認2026.10.17出典:9-4 定款認証(定款の作成日付・認証が要る定款と要らない定款)(日本公証人連合会)
株式会社は認証の日付が加わる|公証人の認証と会社設立日の順番

株式会社では、定款作成日と会社設立日のあいだに、もう一つの日付が入ります。会社法30条1項は、発起人が作った定款は「公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない」と定めています。認証を受けていない定款では設立の登記ができないため、認証の日は必ず設立日より前、遅くとも同じ日になります。
認証の日は、定款の末尾にある発起人の日付(定款作成日)とは別の日付です。作成日と認証の日が同じ日のこともあれば、数日離れることもあります。手元の書類で認証を受けた日がはっきりしないときは、認証を受けた公証役場に問い合わせると確かめられます。定款の謄本の請求や閲覧も、認証をした公証役場で受け付けています。

もう一つ押さえておきたいのが、認証の後の定款の扱いです。会社法30条2項は、認証を受けた定款は株式会社の成立前には、限られた場合を除いて変更できないとしています。認証から登記の申請までのあいだに日付や内容を書き換える、ということは原則としてできません。設立日を後から動かしたくなっても、定款の側の日付は認証の時点で固まっていると考えておきましょう。
一方、公証人の認証が必要なのは設立当初の定款(原始定款)だけで、会社ができた後の定款変更には認証が要りません。設立後に定款を変えても、定款作成日や認証の日、そして会社設立日が書き換わることはありません。会社設立日を変えられるのかという疑問は会社設立日の変更のカテゴリーで扱っています。
確認2026.10.17出典:会社法(第26条・第30条・第575条・第578条 定款の作成・認証・合同会社の出資)(e-Gov法令検索)
定款に会社設立日は書かない|「成立の日から」と書く理由

定款を読んでいて「会社設立日はどの条文に書いてあるのか」と探しても、見つからないのが普通です。定款を作る時点では、会社はまだ成立しておらず、登記を申請する日も確定していないからです。未来の日付を先に書いておく欄は、定款にはありません。
代わりに使われるのが「当会社成立の日」という言い方です。日本公証人連合会が公開している株式会社の定款記載例では、附則に「当会社の最初の事業年度は、当会社成立の日から令和○年3月末日までとする。」と書かれています。最初の事業年度の始まりを日付で固定せず、成立の日に結び付けておけば、登記を申請した日がいつになっても条文を直す必要がありません。

「定款 日付」と調べる方がつまずきやすいのは、この附則の書き方です。「成立の日」を定款を作った日や公証役場へ行った日と読み替えてしまうと、最初の事業年度の長さを数え間違えます。最初の事業年度は会社設立日から始まり、1年を超えることはできません。決算月と設立日の組み合わせによって初年度が何か月になるかは、設立日と決算月から最初の期末を決める記事と会社設立日と決算日のカテゴリーにまとめました。
附則に「令和○年○月○日成立」のような具体的な日付を書き込んでしまうと、その日に登記を申請できなかったときに困ります。株式会社では認証後の定款を自由に直せないため、日付が先に固まるほど後で動かしにくくなります。定款では成立の日と書いて日付を空けておき、会社設立日は登記で決まる、という役割の分け方を覚えておいてください。
確認2026.10.17出典:株式会社の定款記載例1(小規模な会社)(日本公証人連合会)
合同会社の会社設立日|認証が要らない会社の設立年月日

合同会社では、定款に公証人の認証が要りません。日本公証人連合会も、合名会社・合資会社・合同会社といった持分会社の定款は「公証人の認証を必要としません」と案内しています。そのため日付は、定款作成日と会社設立日の二つだけで並びます。
合同会社の設立日も、株式会社と同じく登記で決まります。会社法579条により、持分会社は本店の所在地で設立の登記をすることで成立し、登記簿には「会社成立の年月日」として申請の日が記録されます。合同会社 設立年月日、と調べて出てくる日付は、この欄の日付です。定款作成日がその前に来る点も株式会社と変わりません。
| 比べる点 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 定款作成日 | ある | ある |
| 公証人の認証の日 | ある(必須) | 無い |
| 会社設立日の決まり方 | 登記の申請日 | 登記の申請日 |
| 登記簿の欄 | 会社成立の年月日 | 会社成立の年月日 |
認証が無い分、定款を作った日から登記を申請する日までを短くまとめやすいのが合同会社の特徴です。ただし、会社法578条は、合同会社の社員になろうとする人が「定款の作成後、合同会社の設立の登記をする時までに」出資の金銭を全額払い込むよう定めています。定款作成日、払込みの日、登記の申請日という順番は、合同会社でも崩せません。
定款作成日と会社設立日を同じ日にそろえたいと考える方もいます。作成日・払込みの日・申請日が一日に重なる組み立ても考えられますが、払込みの日付との前後が合っているかを含め、申請先の法務局の案内で確かめてから決めてください。合同会社の手続の進め方そのものは、設立の流れを扱う姉妹サイトの担当です。
合同会社の設立年月日と株式会社との日付の並びの違いは、合同会社の会社設立日の記事にまとめました。
確認2026.10.12出典:商業・法人登記の申請書様式(会社・法人の設立年月日)(法務省・法務局)
定款作成日から登記申請までの日付の並び|申請の日までに作った書類

定款作成日から会社設立日までの日付の並びには、いくつかの決まりがあります。株式会社なら作成日、認証の日、申請日の順に、合同会社なら作成日、払込みの日、申請日の順に並びます。どの書類も、登記を申請する日より後の日付にはなりません。
この点は、2026年2月2日に始まった休日指定の特例でも変わりません。法務省は、特例を求める設立の登記の申請書の添付書面について、従前どおり「申請の日までに作成したもの」を添付する必要があると案内しています。休日を設立日に指定するときも、定款はその休日ではなく、実際に申請する直前の開庁日までに出来上がっている必要があります。
- 1定款を作る
末尾に定款作成日を書き、全員が署名・記名押印する - 2株式会社は認証を受ける
認証の日は作成日と同じか、それより後 - 3申請日を迎える
添付する書類はすべてこの日までに作成済み - 4会社が成立する
申請日(休日指定なら指定した休日)が会社設立日
株式会社では、会社法911条が設立の登記の期限も定めています。発起設立なら、設立時取締役などの調査が終わった日と発起人が定めた日のいずれか遅い日から2週間以内です。会社設立日を特定の日に合わせたいときは、定款作成日と認証の日をその日から逆算して決めることになります。期限の数え方は、会社設立日と登記のカテゴリーでくわしく扱っています。
休日や連休を設立日にしたい場合の日付の並びは、会社設立日と休日の記事に整理しました。申請日・受付日・登記完了日の違いを先に確かめたい方は、申請日・受付日・完了日の違いの記事から読むと、定款の日付との関係もつかみやすくなります。設立までの手順や日数の目安は、設立の流れを扱う姉妹サイトの担当です。
確認2026.10.15出典:休日を会社等の設立の日とすることが可能になりました(法務省)
電子定款の日付|オンラインの認証と同時申請で日付が逆転しないように

電子定款は、定款をPDFファイルで作り、紙への署名や押印の代わりに電子署名をしたものです。日本公証人連合会の案内でもその作り方が示されています。紙の定款と同じく、電子定款にも作成日付を書き、株式会社であれば公証人の認証を受けます。日付の意味は紙の定款と変わりません。
電子定款で気をつけたいのは、オンラインで定款認証と設立登記を同時に申請する場合です。法務省は、申請された日の当日中に定款が認証されなかった場合は「定款認証日が会社成立の日より遅れることになるため、設立登記の申請は却下されます」と案内しています(商業登記法24条7号)。認証の日が会社設立日より後になる逆転は、それだけで申請が通らない理由になるということです。
同時申請をするなら、申請日当日に公証人とのテレビ電話による面談を済ませ、その日のうちに認証を受ける必要があります。法務省は、申請先の公証役場と事前に調整して面談を予約するよう案内しています。
休日指定の特例と同時申請を組み合わせることもできます。ただしその場合も、指定する休日の直前の開庁日、つまり実際に申請する日のうちに定款が認証されていなければなりません。設立日を休日に指定しても、認証の日まで休日にずらせるわけではない点に注意してください。
日本公証人連合会によると、2024年3月1日から、利用者から特に希望がない限り、電子定款の認証の面前審査はウェブ会議で行うのが原則になっています。画面越しの手続でも、認証の日付が記録されることに変わりはありません。郵送やオンラインで申請したときに会社設立日がいつになるかは、郵送・オンライン申請の受付日の記事で日付の決まり方を説明しています。
確認2026.10.17出典:オンラインによる定款認証及び設立登記の同時申請の取扱いを開始しました(法務省)
まとめ|定款の日付は会社設立日の前に並ぶ

定款に出てくる日付は、どれも会社設立日より前に並びます。定款作成日は定款を作った日、認証の日は株式会社で公証人が認証した日、そして設立日は登記を申請した日です。登記官は申請書を受け取ると受付の年月日を記録し、その日付が登記簿の「会社成立の年月日」に結び付きます。
定款に会社設立日そのものは書きません。最初の事業年度は「成立の日から」と書いて、日付は登記に任せます。合同会社には認証の日が無く、定款作成日と会社設立日の二つで並びます。電子定款で同時申請をするなら、認証の日が申請日より後にならないよう当日中に認証を受けます。
- 定款作成日は定款の末尾の年月日。会社設立日ではない
- 株式会社は認証の日が作成日の後、申請日の前(または同日)に入る
- 定款には「成立の日」と書き、設立日の日付は書かない
- 合同会社は認証が無く、作成日と会社設立日の二つで並ぶ
- 添付する書類は申請の日までに作ったものに限られる
既にある会社の定款を見て日付を確かめたい方は、登記簿の会社成立の年月日と並べて読むと迷いません。証明書のどの欄を見ればよいかは会社設立日の確認方法で、これから会社設立日を決める方は会社設立日の決め方から読み進めてください。
確認2026.10.12出典:商業登記法(第21条 受付)(e-Gov法令検索)
最後に、読んでくださった方へ
定款に書かれた年月日は、会社が生まれた日ではなく、会社を生むための規則を作った日です。会社設立日は、その後に登記を申請した日として登記簿に刻まれます。手元の定款と登記事項証明書を並べ、作成日・認証の日・会社成立の年月日の三つに付箋を貼ってみてください。三つの日付が正しい順番に並んでいれば、書類の日付はそろっています。食い違いが気になるときは、認証を受けた公証役場や管轄の法務局に、どの書類のどの欄の話かを添えて問い合わせると話が早く進みます。
