会社設立日と創業日の違い|創立日・創立記念日との関係、沿革や会社概要での書き分け方
この記事で扱う日付
- 設立日(会社成立の年月日)原則は設立登記申請の受付日。休日指定の特例では指定した休日。登記簿の「会社成立の年月日」欄
- 創業日前身の事業も含めて始まった日として会社が名乗る日
- 創立日・創立記念日
自社の会社概要や沿革に「創業」「設立」のどちらを書くか迷っている方、個人事業から会社にしたあとで創業年の扱いを決めたい方、取引先の資料で二つの年が並んでいて戸惑った方に向けたページです。先に会社設立日の意味を固めておくと、株式会社も合同会社も本店の所在地で設立の登記をすることで成立し、その成立の日、つまり原則として法務局が設立登記の申請を受け付けた日が会社設立日です(2026年2月2日に始まった休日指定の取り扱いを使った会社は、申請書で指定した休日)。登記簿では「会社成立の年月日」と呼ばれます。創業日や創立記念日は、この登記の日付とは別の基準で会社が名乗る日付です。2026年(令和8年)10月17日時点で確認した公式ページと実例をもとに書いています。
創業日と設立日の違い|事業を始めた日と、会社が成立した日

創業日は、事業を始めた日を指して使われる言葉です。法律に定めはなく、何をもって「始めた」とするかは会社が決めます。最初の商品を売り出した日、店を開けた日、個人で仕事を請け負い始めた日など、会社ごとに基準が違います。
一方の会社設立日は、会社法で決まる日付です。会社は設立の登記をすることで成立し、その日が登記簿の「会社成立の年月日」として記録されます。会社が自分で後から選び直せる日付ではありません。

企業データベースの項目の作り方を見ると、この区別がよく分かります。帝国データバンクの企業情報の収録項目を説明したページでは、「創業」を営業を開始(または再開)した年月、「設立」を設立された(法人に改組した)年月として、別々の項目に分けています。同じ会社に二つの年があるのは、こうした区別をしているからです。
二つの日付が同じ日になる会社もあります。事業の準備を会社として進め、設立の登記をしてから営業を始めた場合は、創業と設立をそろえて書くことが多いでしょう。ずれるのは、登記の前から事業が動いていた会社です。事業を始めた日そのものの決め方や、開業届の日付との関係は会社設立日と開業日で扱っています。
創業日の根拠の決め方と、創業から設立までの年数の数え方は、創業日と設立日の違いの記事で実例とあわせて載せています。
確認2026.10.17出典:帝国データバンク企業情報(収録項目「創業」「設立」の定義)(SPEEDA/ValueSearch ヘルプセンター(帝国データバンク企業情報の収録項目の説明))
創立日・創立記念日とは|会社が自分で選ぶ記念の日付

「創立」は、組織を初めてつくることを表す言葉です。会社の文脈では、創業と同じ意味で使う会社もあれば、設立と同じ日付を指して使う会社もあります。創立日という言葉だけでは、どの出来事の日付なのかが決まらない点に注意が必要です。
創立記念日はさらに自由度の高い日付で、会社が社内の記念日として定めるものです。味の素グループの社史のページは、この違いを一つの会社の中で説明しています。創業年月日は「味の素®」を一般消費者向けに発売を始めた1909年(明治42年)5月20日、会社創立記念日は前身の株式会社鈴木商店が創立された1917年(大正6年)6月17日、会社設立年月日は1925年(大正14年)12月17日です。
- 創業年月日
- 1909年5月20日(発売開始の日。1978年に決定)
- 会社創立記念日
- 1917年6月17日(前身会社の創立の日。1953年に決定)
- 会社設立年月日
- 1925年12月17日(登記簿に記載)
目を引くのは、創業年月日も創立記念日も、出来事から何十年もたってから会社が決めている点です。記念の日付は、会社が自らの歴史をどう語るかを決めたときに定まるものだと分かります。
もう一つ、このページには現在の会社法とは違う事情も書かれています。当時の商法では設立総会の終結の時に会社が成立するとされていたため、登記簿には設立の登記をした12月25日ではなく、設立総会の12月17日が載っているという説明です。古い会社の登記上の日付を読むときは、当時の法律で成立の時点が違ったことも頭に置いておきましょう。創立記念日を祝う行事の進め方そのものは、お祝いをテーマにした姉妹サイトの担当です。
創立記念日を設立日にそろえる場合と分ける場合の考え方は、創立日・創立記念日の記事にまとめています。
確認2026.10.17出典:1925年12月17日 会社設立年月日ってどんな日?(味の素グループの歩み)(味の素株式会社)
会社設立日(会社成立の年月日)は登記で一つに決まる

創業日や創立記念日と比べると、会社設立日はとても硬い日付です。会社法49条は株式会社について、579条は合同会社などの持分会社について、本店の所在地で設立の登記をすることによって成立すると定めています。会社設立日はこの成立の日で、原則は設立登記の申請日です。
登記が完了した日や、登記事項証明書を取った日は会社設立日ではありません。審査に何日かかっても、登記簿の会社成立の年月日に入るのは申請した日です。2026年2月2日からは、法務局が閉まっている土日祝日や年末年始の日を設立日として指定する取り扱いも始まりました。直前の開庁日に申請し、申請書に指定する休日を書く方法で、くわしくは会社設立日と休日で説明しています。
創業日や創立記念日は会社が選べますが、会社成立の年月日は登記の記録そのものです。契約書や申請書の「設立年月日」の欄には、この日付を写します。
創業の日付をどれほど古くさかのぼって名乗っても、登記上の会社設立日は動きません。逆に、登記の日付を記念日として使う会社も多くあります。どちらを記念日にするかは会社の自由ですが、書類の欄に入れる日付は自由ではない、という線引きを覚えておけば十分です。
会社設立日という言葉の定義や、登記申請日・登記完了日との違いは会社設立日とはのカテゴリーで順に整理しています。言葉の意味から確かめたい方はそちらからどうぞ。
確認2026.10.12出典:会社法(第49条・第579条・第30条・第911条)(e-Gov法令検索)
個人事業から会社にした場合の創業年の書き方

個人で事業を始め、数年後に会社にした場合、創業日は個人で始めた日、会社設立日は設立の登記の日、と分けて書くのが一般的です。個人事業主の時代は登記簿に載らないので、会社設立日だけを見ても、その会社が何年前から事業をしているかは分かりません。
上場企業の有価証券報告書の沿革にも、この書き分けの例があります。ファブリカホールディングスの沿革を年表にしたページでは、1992年に現在の経営者が自動車鈑金塗装業として創業し、1994年に有限会社として設立した、と二つの年を並べています。創業と設立のあいだに2年の差がある会社だということが、沿革を読めばすぐに分かります。

個人事業時代の日付は、登記のような公的な記録で一つに決まるものではありません。開業の届出の控え、最初の請求書、店舗の賃貸借契約など、会社が根拠にした資料を社内で決めて控えておくと、後年「創業○年」の数え方がぶれません。会社設立日のほうは、登記事項証明書の会社成立の年月日を写すだけで足ります。
なお、個人事業から会社に移るための手続きや、税金の切り替えは、個人事業の法人成りを担当する姉妹サイトのテーマです。このページでは、移ったあとに日付をどう書き分けるかだけを扱います。
確認2026.10.17出典:株式会社ファブリカホールディングスの沿革(有価証券報告書の沿革欄の抜粋)(EDINET DB)
会社概要・沿革での表記|「創業」「創立」「設立」の欄を書き分ける

会社概要の表に日付を載せるときは、欄の名前がそのまま意味を決めます。「設立」と書いた欄に創業年を入れると、読み手は登記の日付だと受け取ります。創業の歴史を伝えたいなら「創業」の欄を別に作り、「設立」の欄には登記簿の会社成立の年月日を入れるのが、取り違えの起きにくい書き方です。
「創立」という欄名は、会社によって中身が違うので特に注意が要ります。トヨタ自動車の会社概要では「創立」の欄に1937年(昭和12年)8月28日が載っており、同社の75年史の挨拶文はこの日を設立登記日と説明しています。ところが同じ挨拶文によると、創立記念日は工場の竣工式を行った1938年(昭和13年)11月3日です。「創立」の欄と「創立記念日」が別の日付を指している例です。
| 欄の名前 | 入れる日付 | 根拠にする資料 |
|---|---|---|
| 設立 | 会社成立の年月日 | 登記事項証明書 |
| 創業 | 事業を始めた日 | 社内で決めた資料 |
| 創立 | 会社の定義に従う | 沿革に定義を書く |
| 創立記念日 | 会社が定めた日 | 社内規程など |
沿革のページでは、年表の最初の行に何を置くかで印象が変わります。創業から書き始めるなら「1992年 個人で○○を創業」「1994年 有限会社○○を設立」のように、出来事の言葉を毎行はっきり書き分けます。年だけの表にせず、創業の行と設立の行を見比べられるようにしておくと親切です。
英文の会社概要では、Founded、Established、Incorporated などの語を使い分けることになります。どの語がどの日付に対応するかは会社設立日の英語表記でまとめています。日本語の欄と英語の欄で別の日付を指してしまわないよう、両方を並べて確かめてください。
確認2026.10.12出典:会社案内(会社概要の創立欄)(トヨタ自動車)
統計・公的調査での「設立時期」と「開設時期」|調査ごとに物差しが違う

創業と設立の違いは、統計や公的な調査の項目にもはっきり表れています。調査票に年を書くときも、調査結果を読むときも、その調査がどちらの日付を求めているかを先に確かめることが大切です。
経済産業省の企業活動基本調査には「設立時期」という項目があり、e-Statの調査項目の定義は、商業登記簿謄本または法人登記簿謄本に記載されている会社設立(成立)の時期としています。ここで求められているのは登記上の日付で、創業年ではありません。ただしこの定義では、合併や分割、有限会社から株式会社への変更などで新しく設立された場合も「設立」に含めています。

総務省の経済センサス‐基礎調査には、事業所ごとの「開設時期」という別の項目があります。e-Statの「開設時期」の定義は、事業所が現在の場所で事業を始めた時期とし、個人経営から会社組織に変えても経営者が同じであれば、その時期を開設時期としないと書いています。会社設立日が新しくても、事業所の開設時期は個人時代のまま、ということが起こるわけです。
同じ会社でも、どの調査のどの項目かで答える日付が変わります。過去に回答した年が今年の回答と違って見えても、項目の定義が違えば矛盾ではありません。迷ったときは調査票の記入の手引きを開き、会社設立日を求めているのか、事業の始まりを求めているのかを一文ずつ確かめましょう。
確認2026.10.12出典:経済産業省企業活動基本調査の調査項目「設立時期」(政府統計の総合窓口 e-Stat)
合併・組織変更をした会社と、融資や補助金でいう「創業」

長い歴史をもつ会社ほど、合併や組織の変更を経て今の形になっています。そうした会社では、創業日・創立日・会社設立日がさらに分かれやすくなります。前身の会社の創業年を名乗りつつ、今の法人の会社成立の年月日はずっと新しい、ということも珍しくありません。
会社法では、新設合併で生まれる会社はその成立の日に消滅する会社の権利義務を引き継ぎ(754条)、吸収合併では存続する会社が効力発生日に引き継ぐ(750条)と定めています。新設合併なら新しい会社の会社設立日が生まれ、吸収合併なら存続する会社が新しく成立するわけではない、という違いがあります。合併後の会社概要で「設立」をどの日付にするかは、この区別を踏まえて登記簿で確かめてください。
合併した相手の会社のほうが古い。設立日を古いほうにしてよい?
書類の「設立年月日」には、今の法人の登記簿にある会社成立の年月日を書きます。古い歴史は沿革や「創業」の欄で伝えます。
融資の申込書にある「創業」は、会社設立日のこと?
制度ごとに定義が違います。申込書の記入要領で、個人事業の期間を含めるかどうかを確かめてください。
融資や補助金の書類に出てくる「創業」や「創業後○年以内」は、それぞれの制度が独自に定義しています。個人で事業を始めた日から数える制度もあれば、会社設立日から数える制度もあるため、制度の要件の読み方は補助金・支援制度を担当する姉妹サイトで確かめてください。
ほかの手続きで会社設立日の欄を見かけたときも同じで、まず欄が求めている日付を読み、手元の登記の記録と照らし合わせます。会社設立日の記載を後から直したいときの考え方は会社設立日の変更のカテゴリーにまとめています。
確認2026.10.17出典:会社法(第749条・第750条・第754条 合併の効力発生日と成立の日)(e-Gov法令検索)
まとめ|三つの日付を並べて、出どころを添える

会社設立日は登記簿の会社成立の年月日で、法律によって一つに決まります。創業日は事業を始めた日、創立日や創立記念日は会社が自分で定めた日で、どちらも会社の考え方によって中身が変わります。三つが同じ日の会社もあれば、何十年も離れている会社もあります。
取引先の資料を読むときは、日付の数字より先に欄の名前を見てください。2026年10月15日に当サイトで確認した時点では、gBizINFOのトヨタ自動車のページの設立年月日は1937年08月27日(出典元GEPS)と表示されていて、会社概要の「創立」の1937年8月28日と1日ずれていました。根拠になる日付が必要な場面では、どの資料を写したかを添え、登記事項証明書の会社成立の年月日と突き合わせると安心です。

- 登記事項証明書で会社成立の年月日を確かめる
- 創業日の根拠にする資料を社内で一つ決める
- 創立記念日を何の日にしたかを社内規程などに書く
- 会社概要・沿革・英文の欄名をそろえる
- 書類の欄が求める日付を読んでから写す
これから会社をつくる方にとっては、会社設立日はまだ選べる日付です。どの日付を登記の申請日にするかは会社設立日の決め方から読むと、創業日や記念日との組み合わせ方まで考えやすくなります。既にある会社の日付を確かめたい方は会社設立日の調べ方へ進んでください。
確認2026.10.15出典:会社・法人の登記事項証明書等を請求される方へ(法務省)
ここまで読んだあなたへ
創業日も創立記念日も、会社の歩みを伝える大切な日付です。ただ、書類の「設立年月日」の欄に入るのは、登記簿の会社成立の年月日だけです。迷ったら、三つの日付を一枚の紙に並べ、それぞれの横に「何が起きた日か」「どの資料で確かめたか」を書き込んでみてください。その一枚ができていれば、会社概要を作るときも、取引先の資料を読むときも、どの欄にどの日付を入れるべきかがすぐに決まります。
