休日を会社設立日に指定する方法|申請する日・指定できる日付・登記簿への載り方
この記事で扱う日付
- 指定登記日休日を設立日にする特例で申請書に書く日
- 登記申請日法務局が申請を受け付けた日
- 設立日(会社成立の年月日)原則は設立登記申請の受付日。休日指定の特例では指定した休日。登記簿の「会社成立の年月日」欄
土曜日や日曜日、祝日、年末年始、とくに1月1日のような区切りのよい日付を会社設立日にしたいと考えている方に向けて書きました。会社は本店所在地での設立登記により成立し、通常の会社設立日は申請受付日、休日指定の特例では指定した休日です。受付日と成立の日を分け、商業登記規則と法務省の原文で条件を確かめます。作成日は2026年10月11日、2026年10月12日に原文を再確認して更新しました。
何が変わったのか――2026年2月2日からの「休日の設立日」

通常、会社設立日は設立登記の申請が法務局で受け付けられた日付です。これに対し、2026年2月2日から始まった特例では、一定の条件を満たすことで行政機関の休日を設立の日に指定できます。受付そのものが休日に行われる制度ではなく、受付の日と成立の日を分けて考える点が特徴です。
休日を会社設立日にしたい理由は人によってさまざまです。1月1日のように暦の区切りと会社の始まりをそろえたい、会社にとって大切な記念日と成立の日をそろえたい、代表者の誕生日や結婚記念日と同じ日付にしたい、といった選び方が考えられます。同じ月日でも曜日は年ごとに変わるため、設立時に土曜日だった日が毎年土曜日になるわけではありません。いずれも日付そのものに意味を込める選び方で、制度の改正によって、ようやく登記の上でも叶えられるようになりました。
2026年(令和8年)2月2日、商業登記規則等の一部を改正する省令(令和8年法務省令第2号)が施行され、この制約が外れました。新しく置かれた商業登記規則35条の4は、設立の登記を申請する人が、申請の日の翌日が行政機関の休日であるときに、その休日を登記の日とするよう求めることができると定めています。
ひとことで言うと
指定した休日の直前の開庁日に申請して、申請書で「この休日の日付で登記してほしい」と求めると、その休日の日付が登記簿の会社成立の年月日になります。法務省の案内では、求めた特定の日付で「設立の登記の年月日及び成立の年月日」が記録されると説明されています。
対象は、登記によって成立する会社や法人の設立の登記です。株式会社も合同会社も使えます。一方、組織変更や持分会社の種類の変更による設立の登記は条文で除かれています。会社設立日そのものの定義をもう一度確認したい方は、ハブ記事の会社設立日とはをご覧ください。
確認2026.10.15出典:休日を会社等の設立の日とすることが可能になりました(法務省)
指定できる日付は「行政機関の休日」だけ

指定できるのは、行政機関の休日に関する法律1条1項が定める日に限られます。条文が挙げるのは、①日曜日と土曜日、②国民の祝日に関する法律に規定する休日、③12月29日から翌年の1月3日までの日、の3つです。法務局が閉まっている日、と言い換えてもかまいません。

反対に、平日を「指定」することはできません。行政機関の休日ではない開庁日を会社設立日にしたい場合は、通常の受付日の扱いを確認します。希望日に送信や投函をしただけでは、その日付で受け付けられたことにはなりません。単に月曜日から金曜日という意味の平日でも、祝日等なら行政機関の休日に当たるため、曜日だけで特例の対象を判断しないようにします。
祝日の日付は年によって動くものがあります。成人の日・海の日・敬老の日・スポーツの日のように月曜日に置かれる祝日や、春分の日・秋分の日は毎年同じ日付とは限りません。内閣府が公表している祝日の一覧(CSV)で、指定したい年の日付を確かめてから計画してください。土日・祝日ごとの細かな組み方は土日を会社設立日にすると祝日・年末年始を会社設立日にするで扱っています。
内閣府の一覧には、祝日の名前のほかに「休日」とだけ書かれた日があります。2026年9月22日(火)がその例で、敬老の日(21日)と秋分の日(23日)にはさまれた国民の休日です。こうした日も国民の祝日に関する法律に規定する休日にあたるため、行政機関の休日として会社設立日に指定できます。2026年9月19日(土)から23日(水)までが続く休日だったので、この期間なら18日(金)に申請すればいずれの日も選べた、ということになります。
振替休日も同じ扱いです。2027年は春分の日の3月21日が日曜日にあたるため、翌22日(月)が「休日」として一覧に載っています。3月20日(土)から22日(月)まで休日が続くので、春分の日を会社設立日にしたい場合も、振替休日の22日を選びたい場合も、申請は19日(金)です。こうした並びは毎年変わるので、前の年の感覚で決めず、その年の一覧を開いて確かめるのが確実です。
確認2026.10.12出典:行政機関の休日に関する法律(第1条)(e-Gov法令検索)
登記を申請する日は「指定登記日の直前の開庁日」

いちばん大事なのが申請する日です。条文は「申請の日の翌日が行政機関の休日であるとき」としており、法務省の案内も要件として「指定登記日の直前の開庁日に申請をすること」を挙げています。例えば金曜日が開庁日で、その後に土曜日・日曜日が続く場合、日曜日を会社設立日に指定するための申請日は金曜日です。金曜日も休日なら、さらに前の開庁日まで確認します。
休日が何日も続くときは、続いている休日のうちいずれか1日を選べます(35条の4のかっこ書き)。三連休なら3日のどれでも、年末年始ならその期間のどの日でも指定でき、申請はいずれの場合も連休の前の開庁日1回です。

表の日付は、内閣府の祝日の一覧(2026年10月12日再確認)と暦の曜日を突き合わせて作りました。2027年4月29日(木・昭和の日)は前後が平日なので単独の休日です。この日を会社設立日にするなら、前日の4月28日(水)に申請します。
確かめておきたいこと:希望する休日より前に別の開庁日を挟む日に申請しても、その希望日を特例で指定する条件を満たしません。単純に「2日前なら不可」ともいえず、金曜日受付で日曜日を指定する例では2日前が直前の開庁日です。日数ではなく休日の連続で判定します。休み明けに過ぎた休日をこの特例で指定することもできません。
- 金曜日に申請して、日曜日を指定することはできますか。
- その金曜日が開庁日で、必要な条件を満たして受け付けられる場合は可能です。土曜日と日曜日の連続した休日のうち、いずれか一日を選べます。
- 指定登記日を書かずに金曜日に申請したらどうなりますか。
- 特例は求めた場合に適用されます。特例を求めず通常の設立登記が受け付けられ、登記がされる場合は、受付日が成立の日となります。申請に他の不備がある場合まで成立を保証する説明ではありません。
- 指定した休日の前に申請を取り下げたら?
- 取り下げた申請を根拠に希望日が実現するわけではありません。改めて申請する場合は、その申請日と指定する休日が条件を満たすかを登記所や司法書士に確認します。
確認2026.10.12出典:商業登記規則(第35条の4 設立の登記の申請の特例・第39条)(e-Gov法令検索)
郵送・オンラインなら「開庁時間内に届く」ことが条件

窓口の場合も、直前の開庁日の受付時間内に申請が受け付けられる必要があります。注意したいのは郵送とオンラインです。法務省の案内には、オンラインや郵送で申請する場合も「当該申請が開庁時間内に到達し、指定登記日の直前の開庁日の日付で受付がされる必要があります」と書かれています。
郵送の場合、申請日は投函した日ではなく、申請書が登記所に到着した日です(大阪法務局の登記完了予定日の案内)。直前の開庁日を過ぎて到達すれば、希望する休日の指定に必要な受付条件を満たせません。次の受付が何日になるかは祝日等を含む開庁日の並びで変わります。不備のある申請が自動的に別の日付で成立すると決めつけず、登記所や司法書士に扱いを確認してください。
- 郵送:指定日の直前の開庁日の開庁時間内に到達し、その日付で受付される条件を確認する。早すぎる到達も条件から外れるため、配送の見込みだけで指定日を確約しない
- オンライン:直前の開庁日の開庁時間内に送信し、受付まで済ませる。夜間の送信は翌開庁日の扱いになると考えておく
- 窓口:直前の開庁日の受付時間内に提出する。管轄の法務局を事前に確認しておく
管轄の法務局は本店所在地で決まり、法務局のサイトで調べられます。開庁時間や窓口の混み具合は庁ごとに違うことがあるため、郵送やオンラインの締め切りに余裕をもたせ、気になる場合は事前に電話で確かめておくと安心です。
申請の方法ごとに受付の日付がどう決まるかは、「登記日」はどっちの日付か、いつになるかで詳しく扱っています。
確認2026.10.15出典:休日を会社等の設立の日とすることが可能になりました(法務省)
指定登記日と申請日を、書類の上でも混同しない

法務省の案内では、申請書に特例を求める旨と指定登記日の記載が必要です。申請書全体の書き方は姉妹サイトの「登記・定款」の担当なので、ここでは日付の区別を確かめます。
- 指定登記日
- 会社設立日にしたい行政機関の休日です。申請の受付日ではなく、登記簿に記録してもらいたい成立の日を指します。
- 登記申請日
- 指定する休日の直前の開庁日です。連続した休日の後半を選ぶ場合、指定登記日との差は1日とは限りません。
- 登記完了日
- 法務局で処理が終わる日です。休日指定を使っても、会社設立日の当日に証明書を取得できるという約束ではありません。
例えば2027年1月1日の会社設立日を希望するとき、日付のメモには「成立の日の希望=2027年1月1日」「受付が必要な日=2026年12月28日」と別々に書きます。年が違うので、西暦を省いて月日だけにすると照合しづらくなります。会社設立日を関係者に伝える際も、申請を済ませる予定の日と混ぜず、何の日付かを添えると認識をそろえられます。
確かめておきたいこと:日付を書いただけで特例の条件がすべて満たされるわけではありません。対象となる設立登記か、休日の種類は合っているか、直前の開庁日に受付されるか、特例を求める旨があるかを合わせて確認します。
法務省の案内ページには正式な記載例へのリンクがあります。具体的な申請書はその最新の例を参照し、不明な点は司法書士や登記所に確認してください。この日付メモは申請書の代わりにはなりません。
確認2026.10.15出典:休日を会社等の設立の日とすることが可能になりました(法務省)
見落としやすい3つの注意点

休日指定には、日付まわりで勘違いしやすい点がいくつかあります。法務省の案内の「留意事項」を、実際に起こりそうな場面に置き換えて並べます。
- 添付書面は申請の日までに作る会社設立日は休日でも、添付する書面は従前どおり申請の日までに作成したものが必要です。就任承諾書などを休日の日付で作らないようにします。
- 補正の期限を守る特例の求めに不備があり、登記官が定めた期間内に補正しないと、求めがなかったものとして扱われます。他の不備も含む申請全体の結果を保証する説明ではありません。
- オンラインの定款認証は申請日当日に定款認証と設立登記をオンラインで同時に申請する場合も特例は使えますが、定款が申請された日の当日中に認証されなければならない取り扱いは変わりません。公証役場と面談の予約を調整しておきます。
3つ目は株式会社に関係する話です。合同会社は定款の認証がいらないため、この調整は不要です。会社の種類による日付の段取りの違いは合同会社と株式会社で違いはあるかで比べています。
なお、法務省の案内は2026年1月28日に掲載されたものです。取り扱いは変わることがあるため、申請の前に案内ページの最新の内容を確かめ、迷う点は管轄の法務局か司法書士に相談してください。
確認2026.10.15出典:休日を会社等の設立の日とすることが可能になりました(法務省)
休日を設立日にすると、第1期や決算月はどう数えるか

指定した休日は登記簿の会社成立の年月日になります。以下は、会社の定款等で第1期の末日が表のとおり定まっている前提の期間比較です。2027年1月1日を会社設立日として第1期末を同年12月31日にすれば、期間はちょうど12か月です。通常の受付によって1月4日に成立し、第1期末が同じなら、最初の3日分だけ短くなります。決算月だけでなく、実際に定まっている期末の年月日まで確認します。
| 会社設立日 | 第1期末(前提) | 第1期 | メモ |
|---|---|---|---|
| 2027年1月1日(休日指定) | 2027年12月31日 | 1月1日〜12月31日(12か月) | 暦年と事業年度がそろう |
| 2027年1月4日(通常の受付) | 2027年12月31日 | 1月4日〜12月31日 | 12か月未満 |
| 2026年11月22日(休日指定) | 2027年10月31日 | 11月22日〜翌年10月31日 | 12か月未満 |
消費税の特定期間も、原則として前事業年度の開始の日以後6か月で判定するため、第1期の始まりが何日になるかで区切りが変わります。国税庁のタックスアンサー(No.6501)は、前事業年度が1年未満の場合には特定期間が異なる場合がある、としています。判定は年度と事情で変わるので、税理士や税務署に確認してください。この説明は2026年10月12日に同ページの令和8年4月1日現在の法令等に基づく案内で確認しています。休日を会社設立日に選ぶだけで免税が保証されるものではありません。
第1期の長さの数え方は事業年度・初年度の長さ、決算月との組み合わせは決算月・決算日との関係にまとめています。
設立後の届出の中には、会社設立日が起算日になるものがあります。休日指定の場合は成立の日を区別して確認しますが、すべての届出が同じ出来事を起点とするわけではありません。どの届出をいつまでに出すかは、姉妹サイトの「設立後の手続き」の担当です。
確認2026.10.11出典:No.6501 納税義務の免除(国税庁)
まとめ――休日指定は「前の開庁日に、書いて求める」

2026年2月2日から、土日・祝日・年末年始を会社設立日にできるようになりました。指定登記日の直前の開庁日に設立の登記を申請し、申請書に特例を求める旨を書いて、会社成立の年月日に指定する休日の日付を記載します。郵送やオンラインでも、開庁時間内に届いてその日付で受け付けられることが条件です。
指定できる日付は、土日と、内閣府の一覧に載る祝日・休日、そして12月29日から1月3日までです。連休なら、そのうちどの1日を選んでも申請は連休前の開庁日の1回で済みます。日付を決めたら、申請日・申請の方法・申請書に書く2つの事項を一枚の紙に書き出し、数日前には書類をそろえておくと慌てずにすみます。

元日を選びたい方は1月1日(元日)を会社設立日にするへ、いつにするか自体を迷っている方は会社設立日の決め方へ進んでください。
確認2026.10.12出典:商業登記規則(第35条の4 設立の登記の申請の特例・第39条)(e-Gov法令検索)
ひとこと
休日の会社設立日は、日付に意味を込めたい人にとって選択肢が広がる制度です。その一方で、申請する日は「休日の前の開庁日」の1日だけで、郵送の遅れや記載漏れがあると、狙った日付にはなりません。予定が決まったら、申請日・受付の方法・申請書の記載を早めに書き出しておきましょう。書類の作り方に不安があれば司法書士に、受付の扱いは管轄の法務局に確かめておくと安心です。
この記事は、日付を決める・確かめる役に立ちましたか
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