会社設立日とは?登記簿の「会社成立の年月日」が示す日付と、その決まり方
この記事で扱う日付
- 設立日(会社成立の年月日)原則は設立登記申請の受付日。休日指定の特例では指定した休日。登記簿の「会社成立の年月日」欄
- 登記申請日法務局が申請を受け付けた日
- 登記完了日登記官の処理が終わった日。会社成立の日とは区別する
- 指定登記日休日を設立日にする特例で申請書に書く日
この記事は、こんな方に向けて書いています
これから会社をつくる予定があり、「設立日はいつのことを言うのか」をはっきりさせたい方に向けた記事です。登記の申請日と完了日のどちらが会社設立日なのか迷っている方、書類に書く日付を確かめたい方、すでにある会社の登記簿を見て日付の意味を知りたい方にも読んでいただけるようにしました。作成日は2026年10月11日で、条文と法務局の案内はこの日に原文を確認しています。
会社設立日は「設立の登記をした日」――条文が決めている定義

会社設立日をひとことで言うと、法務局に設立の登記を申請した日です。会社法は、株式会社について「その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する」(49条)と定め、合同会社などの持分会社についても同じ言い回しで成立を定めています(579条)。会社が法律上の人格を持つのは登記の時点で、定款を作った日や資本金を払い込んだ日ではありません。
では「登記をした日」とは具体的にいつか。ここで出てくるのが受付です。登記官は申請書を受け取ると受付帳に受付の年月日を記載し、その受付の順に処理していきます。登記簿には登記事項とあわせて「登記の年月日」が記録されるため、設立の登記では、申請が受け付けられた日付がそのまま会社の成立の日として残ります。
この記事では、ふだんの言い方の「設立日」「会社設立日」と、登記簿の正式な欄名である「会社成立の年月日」を同じ日付の呼び名として扱います。登記が終わった日は「登記完了日」と呼び分け、混ぜないようにしています。
定義が条文で決まっているということは、会社の側で「この日を設立日にしたことにする」と後から選び直すことはできない、という意味でもあります。会社設立日を動かしたいなら、動かせるのは申請する日だけです。この点は、遡りや変更について扱う会社設立日を遡る・変更することはできるかでも詳しく取り上げています。
なぜ完了の日ではなく受付の日なのか、と疑問に思う方もいるでしょう。審査にかかる日数は法務局の混み具合で変わります。もし完了の日を成立の日にすると、同じ日に申請した会社でも庁によって会社設立日がばらばらになってしまいます。受付の年月日を基準にしておけば、申請した人が自分で日付を選べ、記録としても一つに定まります。実務でもこの受付の日付が、銀行や取引先に伝える会社の誕生日として使われています。
確認2026.10.12出典:会社法(第49条・第579条・第30条・第911条)(e-Gov法令検索)
登記簿では「会社成立の年月日」という欄に載る

登記事項証明書(いわゆる登記簿謄本)を取ると、商号・本店・公告をする方法などと並んで「会社成立の年月日」という欄があります。会社設立日を書類で確かめるときに見るのはこの欄です。株式会社でも合同会社でも欄の名前は同じで、たとえば「令和8年10月1日」のように和暦で記録されます。
似た場所に「登記記録に関する事項」という欄もあり、そこには「設立」の文字と登記の日付が並びます。通常の設立なら会社成立の年月日と同じ日付になりますが、欄の役割は違います。前者は会社がいつ成立したか、後者は登記記録がどういう経緯で起こされたかを示す欄です。読み方の詳細は登記事項証明書のどこに会社設立日が書いてあるかにまとめました。
| 見る場所 | 書いてある日付 | 会社設立日との関係 |
|---|---|---|
| 会社成立の年月日 | 設立の登記を申請した日(休日指定のときは指定登記日) | これが会社設立日 |
| 登記記録に関する事項(設立) | 設立の登記の日付 | 通常は同じ日付 |
| 各欄の右側の登記日 | その事項を登記・変更した日 | 設立日とは別。変更のたびに増える |
取引先から「設立年月日を記入してください」と頼まれたときも、会社成立の年月日欄の日付を写せば足ります。会社のパンフレットや名刺の「創業」とずれていても、登記上の日付はこちらです。
確認2026.10.12出典:商業登記規則(第35条の4 設立の登記の申請の特例・第39条)(e-Gov法令検索)
申請の方法で変わる「受付の日付」――窓口・郵送・オンライン

会社設立日が受付の日で決まる以上、申請書がいつ法務局に届くかで日付が決まります。窓口に持っていけば、その日に受け付けられるのが通常です。郵送の場合は投函した日ではありません。大阪法務局は登記完了予定日の案内の中で、郵便等で申請したときは「申請書が登記所に到着した日が申請日」になると明記しています。

オンライン申請も考え方は同じで、データを送った瞬間ではなく、登記所で受け付けられた日付が基準です。法務省は休日指定の案内の中で、オンラインや郵送で申請する場合も「開庁時間内に到達し、指定登記日の直前の開庁日の日付で受付がされる必要があります」と書いています。夜間や休日に送ったデータは、次の開庁日の受付として扱われると考えておくのが安全です。
確かめておきたいこと:郵送で狙った日付に間に合わせたいときは、配達日の指定ができる方法を選ぶ、前日着で送るなど、到着日を自分で管理できる手段をとってください。何日に受け付けられたかは、法務局に問い合わせれば確認できます。
申請方法による違いをもう少し細かく知りたい方は、「登記日」はどっちの日付か、いつになるかもあわせてどうぞ。
確認2026.10.12出典:大阪法務局 登記完了予定日(大阪法務局)
登記完了日や証明書を取った日は、会社設立日ではない

よくある取り違えが、登記が終わった日を会社設立日だと思ってしまうことです。申請を受け付けたあと、登記官が書類を審査して登記簿に記録するまでには日数がかかります。大阪法務局の本局が公表している登記完了予定日(2026年10月9日更新)では、商業・法人登記で10月1日(木)に申請したものの完了予定が10月13日(火)、10月9日(金)の申請分が10月22日(木)とされていました。

この例では、会社設立日は10月1日で、登記完了日は10月13日です。完了までの間も会社はすでに成立していて、登記簿に載る日付はさかのぼって10月1日になります。完了予定日は庁ごと・時期ごとに変わり、不備があったり大量の申請が重なったりすると翌日以降にずれることがあると、同じページに注意書きがあります。
- 登記が終わる前に、会社として契約や口座開設はできますか。
- 会社は受付の日に成立していますが、登記事項証明書は完了後でないと取れません。証明書を求められる手続きは、完了を待ってから進めることになります。
- 完了予定日より遅れたら、会社設立日も遅れますか。
- 遅れません。審査が長引いても、登記簿に記録される会社成立の年月日は受付の日付のままです。
- 申請を取り下げて出し直した場合はどうなりますか。
- 取り下げた申請の受付日は使われず、出し直した申請の受付の日付が会社設立日になります。日付にこだわる場合は、提出前に書類の不備がないかを念入りに確かめてください。
会社設立日(会社成立の年月日)
- 受付の日で決まる
- 登記簿に記録される
- 後から動かせない
登記完了日
- 審査が終わった日
- 登記簿には載らない
- 庁の混み具合で前後する
証明書を取った日はさらに後になります。銀行口座の開設や届出のために証明書を取得しても、その日付は会社設立日とは無関係です。申請日と完了日の違いだけを集中して扱った記事は登記申請日と登記完了日の違いにあります。
確認2026.10.12出典:大阪法務局 登記完了予定日(大阪法務局)
2026年2月2日からは、休日の日付も会社設立日にできる

受付の日で決まる以上、これまで会社設立日は法務局が開いている平日に限られていました。2026年(令和8年)2月2日に商業登記規則等の一部を改正する省令が施行され、一定の要件のもとで、土日・祝日・年末年始といった行政機関の休日を登記の日として求められるようになりました。商業登記規則に新しく置かれた35条の4がその根拠です。
- 1
指定したい休日を決める
土日・祝日・12月29日〜1月3日のうち、連続した休日の中のいずれか1日 - 2
直前の開庁日に申請する
郵送・オンラインでも、開庁時間内に届いてその日付で受付される必要がある - 3
申請書に求める旨と日付を書く
書面なら余白、オンラインなら「その他の申請書記載事項」欄。会社成立の年月日に指定登記日を記載
この特例を使うと、登記簿の会社成立の年月日には指定した休日の日付が記録されます。つまり会社設立日が休日になる、ということです。ただし、休日に法務局へ行って申請できるわけではなく、休み明けにさかのぼって申し込めるわけでもありません。申請はあくまで直前の開庁日です。
たとえば2026年11月の三連休なら、11月21日(土)・22日(日)・23日(月・勤労感謝の日)が続く休日になり、このうちどれか1日を指定できます。申請するのはその直前の開庁日にあたる11月20日(金)です。曜日と祝日の日付は、内閣府が公表している国民の祝日の一覧と暦で必ず突き合わせてから計画してください。
確かめておきたいこと:添付書面は従来どおり申請の日までに作成したものが必要です。求めに不備があり、決められた期間内に補正しないと、求めがなかったものとして扱われ、通常どおり受付の日が設立日になります。
要件の細かな読み方や、連休・年末年始の具体的な日付の組み方は会社設立日を休日に指定する方法、元日を選びたい場合は1月1日(元日)を会社設立日にするで扱っています。
確認2026.10.15出典:休日を会社等の設立の日とすることが可能になりました(法務省)
取り違えやすい日付――定款作成日・事業開始日・創業日・法人番号指定年月日

会社にまつわる日付は、設立日のほかにもいくつかあります。どれも「会社の始まり」に関係しているため混同されがちですが、決まり方も載る場所も違います。とくに注意したいのが、国税庁の法人番号公表サイトに表示される「法人番号指定年月日」です。

国税庁はよくある質問の中で、法人番号指定年月日は「国税庁長官が法人番号を指定した日であり、登記上の設立年月日とは異なります」と答えています。番号の指定は登記のあとに行われるため、取引先の会社設立日を法人番号公表サイトで調べて、表示された日付をそのまま使うと誤りになります。2015年10月5日より前に設立された会社は、指定年月日が原則として2015年(平成27年)10月5日になっている点も覚えておくと便利です。
- 定款作成日
- 定款は登記の申請より前に作るので、通常は会社設立日より前の日付です。詳しくは定款作成日と会社設立日へ。
- 事業開始日・開業日
- 設立日と同じとは限りません。登記だけ先に済ませて翌月から営業する会社もあります。事業開始日・開業日との違いで整理しています。
- 創業日・創立日
- 個人事業の時代を含めて会社が名乗る日で、登記とは関係なく決められます。創業日・創立日との違いをどうぞ。
- 法人番号指定年月日
- 番号の指定日で、登記上の設立年月日とは異なります。法人番号指定年月日の見方に画面の欄ごとの説明があります。
確認2026.10.15出典:よくある質問「法人番号指定年月日は、設立年月日と同じですか」(国税庁 法人番号公表サイト)
会社設立日が「起点」になるもの

会社設立日は、ただの記念の日付ではありません。最初の事業年度(第1期)はこの日から始まり、定款で決めた決算日まで続きます。10月1日に設立し、決算月を9月にしたなら、第1期は10月1日から翌年9月30日までの12か月です。10月20日に申請したなら、同じ決算月でも第1期は11か月と12日(10月20日〜31日の12日+11月〜9月の11か月)になります。
税務署への届出の多くも、設立の日を起点に期限を数えます。国税庁のタックスアンサー(No.5100)では、法人設立届出書を「設立の日(設立登記の日)以後2か月以内」に提出するとしています。どの届出をいつまでに出すかは姉妹サイトの「設立後の手続き」の担当なので、ここでは会社設立日が起算日になるという一点だけを押さえておいてください。
- 第1期の長さ:設立日から決算日まで。月の途中で登記すると端数の日数が出る(事業年度・初年度の長さ)
- 決算月との組み合わせ:設立月の前月を決算月にすると第1期が最も長くなる(決算月・決算日との関係)
- 消費税の特定期間:第1期の始まりから6か月で判定するのが原則(消費税の免税と特定期間)
どの日付で申請するかによって、こうした期間の数え方がまとめて決まります。会社設立日を決めるときに暦の上の日付だけでなく、月のどこに置くかまで考える人が多いのはこのためです。考え方の全体像は会社設立日の決め方のハブ記事にまとめました。
確認2026.10.11出典:No.5100 新設法人の届出書類(国税庁)
まとめ――会社設立日は「受付の日付」、迷ったら登記簿の欄で確かめる

会社設立日は、本店所在地の法務局で設立の登記が受け付けられた日付で、登記簿の「会社成立の年月日」欄に記録されます。登記が完了した日、証明書を取った日、法人番号が指定された日はいずれも別の日付です。2026年2月2日からは、直前の開庁日に申請して指定登記日を書けば、休日を会社設立日にすることもできるようになりました。

日付の意味がはっきりすれば、次は「いつにするか」と「どう確かめるか」です。これから決める方は決め方から、既にある会社を調べたい方は登記簿・謄本での調べ方から読み進めると、必要な記事にたどり着きやすくなります。
確認2026.10.12出典:商業登記法(第21条 受付)(e-Gov法令検索)
日付と根拠を確かめる
会社設立日は、一度登記簿に載ると動かせない日付です。だからこそ、申請する日を決める段階で、受付の日付がそのまま会社成立の年月日になることを思い出してください。郵送かオンラインか、休日指定を使うかで、同じ週でも記録される日付は変わります。手続きそのものに不安があるときは、登記は司法書士、税金は税理士、受付の扱いは管轄の法務局に確かめるのが近道です。この記事が、ご自身の会社設立日を落ち着いて選ぶための土台になれば幸いです。
この記事は、日付を決める・確かめる役に立ちましたか
ありがとうございます。押したことはこの端末にだけ記録しました。


